1971年発売のTRIOブランドプリメインアンプです。銘石と評価されるメタルトランジスタ2SD218/2SA649を終段に使った純コンプリメンタリ回路で出力は55W+55W(8Ω)です。
TRIOの前身であった春日無線の系譜か、通信機のようなメカニカルなデザインが特徴です。サファイヤブルーに光るソースインジケータやそれらのセンターに位置するフォーンジャックがユニークです。フォノイコライザは前段にLOWレベル増幅段を設けており、MCカートリッジで不足するゲインを補うことができるようなっています。抵抗切り替え方式による、2dBステップのトーンコントロールを装備しており、さらにターンオーバーロールオフ特性を2段階切換できます。
電源投入時のポップノイズが出ないようにするミューティング回路が備えられています。
今では珍しい、NULL BALANCEスイッチが付属しています。これは、ロックしないスイッチになっており、押しながら左右のスピーカーの音が聞こえないようにBALANCE位置を調整する機能です。現在のプリメインアンプと比べ、小さな筐体の表裏にぎっしりとパーツを実装したアンプで、内部を見るだけも価値のある一台です。
ライン、フォノとも良い音で再生します。ボリューム、スイッチに気になるようなガリやノイズはありません。
トランジスタ劣化ノイズがあったのでフォノ回路、プリアンプの全てのモールドトランジスタを交換しました。また、フォノ基板は手が入りにくい実装が行われているため、機会と捉え全ての電解コンデンサを交換しました。この機種で問題となるHIGH Filterのハム音も対策しましたので、HIGH FilterをONにした場合でもハムノイズはほとんどありません。
DCバランス、アイドル電流とも安定しており良好な値に調整済みです。
製品仕様補足
Speaker切り替えSWのA&B及びA&Cは、AとBのあるいはAとCの両方にスピーカーが接続されているときに有効で、スピーカーは直列接続となります。
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